2012年4月29日日曜日


「あるグループが『万人のための教育』のキャンペーンを始める所だと聞き、そのグループに加わろうとしたのですが、私たちの子どものことではないと言われました。」

国際調査に寄せられた、南アフリカの親からの報告

教育へのアクセス、教育体験および成果に見られるギャップを、知的障害者とその家族の視点から検討したグローバルレポートはない。本調査を実施したのは、各国政府および国際機関による、教育に関するよりインクルーシブな世界的課題の設定を可能にするには、私たちの声を一層明確に届けることが重要であると感じたためである。

本章では、会員組織によって作成されたカントリープロフィールや、75を超える国の当事者、家族、教師およびその他の重 要な情報提供者に対して実施されたアンケートや聞き取り調査、フォーカスグループによる討議、面談、そして多数のドナーおよび国際機関から得られた調査結果を分析する。

私たちの目的は、6つの「万人のための教育」ダカール目標と、初等教育の完全普及を目指すミレニアム開発目標に基づく世界的な教育課題に、どのようにすれば障害者を完全に参加させることができるかを検討することである。本章では、教育に関する世界的課題が、知的障害およびその他の障害のある人々の生活に、どのように影響を与えているのか、あるいは与えていないのかを問いかける。

6つの「万人のための教育」ダカール目標の全文は、以下の通りである。

  1. 就学前保育・教育
    最も恵まれない子供達に特に配慮を行った総合的な就学前保育・教育の拡大及び改善を図ること。
  2. 無償の義務初等教育
    女子や困難な環境下にある子供達、少数民族出身の子供達に対し特別な配慮を払いつつ、2015年までに全ての子供達が、無償で質の高い義務教育へのアクセスを持ち、修学を完了できるようにすること。
  3. 全ての青年及び成人の学習ニーズ
    全ての青年及び成人の学習ニーズが、適切な学習プログラム及び生活技能プログラムへの公平なアクセスを通じて満たされるようにすること。
  4. 成人識字率
    2015年までに成人(特に女性の)識字率の50パーセント改善を達成すること。また、全ての成人が基礎教育及び継続教育に対する公正なアクセスを達成すること。
  5. 初等教育における男女平等
    2005年までに初等及び中等教育における男女格差を解消すること。2015年までに教育における男女の平等を達成すること。この過程において、女子の質の良い基礎教育への充分かつ平等なアクセス及び修学の達成について特段の配慮を払うこと。
  6. 教育の質
    特に読み書き能力、計算能力、及び基本となる生活技能の面で、確認ができかつ測定可能な成果の達成が可能となるよう、教育の全ての局面における質の改善ならびに卓越性を確保すること。

私たちは、以下の6つの各セクションで、「万人のための教育」ダカール目標のそれぞれについてデータ分析を行う。

目標1:就学前保育・教育

「最も恵まれない子供達に特に配慮を行った総合的な就学前保育・教育の拡大及び改善を図ること。」

「乳幼児のケアおよび教育」(ECCE:Early Childhood Care and Education)は、障害児にとって特に重要である。早期介入と他の子どもたちとともに受け入れられる機会とは、地域社会と近隣の学校に子どもが受け入れられるか否かに重大な影響を与える可能性がある。質の高い「乳幼児のケアおよび教育」へのアクセス獲得が重要なのは、児童の発達のためだけではない。それは、障害児を介護している家族に対する支援でもあるのだ。

障害児への「乳幼児のケアおよび教育」の重要性にもかかわらず、アクセスの乏しさ、教育モデルの欠如や教育制度への連携の欠如、そして調整力の欠如に関する報告は絶えない。私たちが知り得たプログラムの大半は、インクルーシブというよりもむしろ障害に特化していた。

乏しいアクセス

  • 調査から、障害児を抱えている家庭の方が他の家庭に 比べて、就学前プログラムや早期介入プログラムの利用が大幅に少ない傾向があることが判明した。高所得国においても、もっとも恩恵を受けられるはずの人々(弱く、不利な立場にある人々)が、もっとも「乳幼児のケアおよび教育」を利用できずにいる場合が多い。
  • 0歳児から5歳児を対象としたサービスを家族が利用できる場合も、それは障害者専用のサービスか、あるいは教育的なカリキュラムがほとんどない、もしくはまったくない保育プログラムであることが多い。
  • 回答者の40%が、「乳幼児のケアおよび教育」プログラムは知的障害児が小学校進級の準備をする場となっていないと述べた。
  • 25%の国の回答者が、すべての児童が出生時に登録されるわけではないことを示唆した。調査結果には、障害児が登録されないことが多いとの報告があったアフリカからの回答は、あまり含まれていなかった。登録されていない障害児は、サービスを利用したり学校へ通ったりすることができない。

医療モデルの優位

障害児の就学前教育へのアクセスは、2つのおもな問題によって制限されている。その問題とは、多くの国において「乳幼児のケアおよび教育」サービスが全体的に利用しにくくなっていることと、「乳幼児のケアおよび教育」が社会福祉サービスあるいは保健省を通じて提供されるために、教育ではなくリハビリテーションが重視されていることである。

「欠陥児童」モデルでは、成績不振は、児童の学習に対する教師や学校の指導力・支援能力ではなく、児童の方に限界があると考えられるために起こるとしている。これは、公式には「インクルーシブな学校」と言われている学校でさえも存在することが明らかになった、広くまん延している問題である。

中東/北アフリカ地域の多くの国々では� ��障害児が学校に入学したりプログラムに参加したりする際には、たとえ特殊教育の現場であっても、健康状態や他の生徒に危険があるかどうかを記した医師の診断書を入手する必要があるとの報告があった。多くの場合、医師は子どもに家にいた方が良いと勧めるが、これは何も得るものがない場所に子どもを行かせることに意味がないからである。医師は多くの場合、聴覚障害児用の補聴器に価値を認めることすらしないが、これは訓練が難しすぎ、そして訓練を行っているのが聴覚障害者のリハビリテーション施設のみだからである。(レバノン、ヨルダンおよびシリアのカントリーレポートより)

乏しいサービス、弱い首尾一貫性、そして不十分な責任

「万人のための教育」目標達成のために、各国政府による重要な取� ��組みがいくつか進められているが、国の教育計画では、「乳幼児のケアおよび教育」に対して十分な関心が寄せられてこなかった。

  • 「乳幼児のケアおよび教育」の政策および立案は、国の教育計画に統合されていない。また教育省は、5歳未満の乳幼児について責任を負わない場合が多い。
  • この例は、カントリープロフィールから収集された情報にも見ることができる。アメリカ合衆国では、3歳から5歳までの児童の57%しか地域の施設を利用した就学前教育に参加していない。一方コロンビアでは、5歳未満の児童の35%しかサービスを受けておらず、そのうち教育的要素を備えたプログラムに参加しているのは40%未満である。コロンビアから得られたさらに詳しい情報によれば、5歳未満の児童で障害がある者はわずか2.5%と推定されており、教育プログラムを利用している人数についてはデータがない。家族に対するアンケート調査からは、これらの児童は政府によって運営されている通常の早期教育プログラムをなかなか利用できないことがわかった。
  • 会員の報告によれば、国内の「乳幼児のケアおよび教育」の中心目的が不明確に思えることが多く、その実施方法についても混乱が見られる。たとえば中東/北アフリカでは、さまざまな省が「乳幼児のケアおよび教育」を担当していることが明らかになった。レバノンでは保健省の担当であり、イエメン、アルジェリアおよびスーダンでは労働省、そしてバーレーン、クウェートおよびヨルダンでは社会問題省が担当している。この結果、政府機関が民間機関を通じて、ほとんど一貫性がないまま散発的に「乳幼児のケアおよび教育」を実施していることが多く、初等教育制度への連携も、ほとんどないか、まったく見られない。

私たちが受け取った報告書によれば、「乳幼児のケアおよび教育」へのアクセスの欠如に加え、その質の悪さと不十分な実施状況は、以下のことを意味する。

  • 障害児は医療、予防接種、聴覚・視覚障害予防プログラム、摂食・栄養プログラムへのアクセスを持たない。なぜなら、これらは就学前プログラムで提供されるからである。このことは、インドにおける就学前プログラムへのアクセスに関するおもな調査によって裏付けられている。この調査からは、障害児が国内の主要な「乳幼児のケアおよび教育」プログラムにおいて「見えない存在」となっていることが明らかになった(Alur 2003年)。
  • 障害児の親は、子育て情報、親に対する教育および支援へアクセスする機会がない。
  • 障害児は、親が就労中に安全でない環境に置かれることが多く、また、同世代の子どもと一緒に遊んだり交流したりする機会が与えられない。
  • 「乳幼児のケアおよび教育」へアクセスできないため、障害児は臨界年齢のときに必要な、その不利を軽減し、回復力の育成を助ける支援を得ることができない。
  • 障害児には、「就学レディネス」や小学校入学のための準備に対する支援を受ける機会が与えられない。

「乳幼児のケアおよび教育」が障害児にもたらす直接的な利益に加え、家族および地域社会に与える影響も、インクルーシブな地域社会の構築にとって基本的に重要である。

  • 障害児の親は、保育サービスへのアクセスが乏しいので、労働市場に参加できる可能性が低く、これがさらなる不利と貧困を招いている。
  • 「乳幼児のケアおよび教育」は地域社会を強化し、社会的結束を高めるために役立つ。

児童の早期教育および保育は、すべての国において、経済的・社会的インフラストラクチャーの基盤である。政策立案者と各国政府は、幼い子どもたちの保育と教育に対する投資だけでなく、それを提供する家族への支援に対する投資がもたらす利益についても、ますます認識を高めている。

目標2:初等教育の完全普及

「女子や困難な環境下にある子供達、少数民族出身の子供達に対し特別な配慮を払いつつ、2015年までに全ての子供達が、無償で質の高い義務教育へのアクセスを持ち、修学を完了できるようにすること。」

調査を通じて収集された情報の大半は、初等教育へのアクセスに関する内容だった。その結果明らかになったのは、インクルーシブ教育を支援する法律と政策の改革には大きな進展があり、教� ��研修も行われてきたが、学校や学級レベルで実践される際には進展が遅く、なすべきことが数多く残されているという実態である。

政策と法律-限定的なコミットメントおよび/または実施

調査対象国の大部分がインクルーシブ教育に関するコミットメントを採択していると、本調査参加者が評価しているのにもかかわらず、家族と当事者は、優れた法律と政策がある国でさえ、インクルージョンはいまだに実現していないと語っている。

  • 中米では、ほとんどすべての国がインクルーシブ教育を支持する法律または政策を採択しているが、その実践は目標からはるかに遅れている。
  • カナダ、ニュージーランド、アメリカ合衆国およびヨーロッパの数カ国では、障害者の権利を保護する包括的な人権法とインクルーシブ教育を約束する教育法が、国や地方、県や州に存在する。しかし会員の報告によれば、実際には、これらの法律およびコミットメントの実施に当たり、人権を基本としたアプローチによる教育は行われていないとのことである。
  • アフリカでは、障害児に特に言及した声明や政策を採択している国は数ヶ国にとどまっている。
  • 一部の地域では、排除されている人々のインクルージョンについて、法律と政策で言及しているが、障害児については触れていない。
  • 障害児のニーズに焦点を当てた法律により、差別や孤立化が進んでしまった例もある。

たとえばコロンビアでは、子どもに高いニーズを伴う知的障害がある場合、行政当局によって選択された施設(そのほとんどは教育制度外である)において介護を受けると法律で定めている。

政策および法律と、知的障害のある生徒が地域社会、学校および学級で受けているサービスの現状との間には、大きなギャップが存在し続けている。

教育の責任の分担化

教育省は障害児教育を担当していないことが多く、むしろ社会問題省がこれを担当している(例『障害者の教育への権利 教育への権利に関する国連特別報告官の報告書(The right to education of persons with disabilities,Report of the Special Rapporteur on the right to education)』2007年2月参照)。調査参加国の大多数において、教育全般を担当していない省庁が障害児教育を担当していた。

回答者の約80%が、学齢期の児童の中には普通教育プログラムに参加していない者がいるが、社会福祉あるいは医療を担当する省庁が提供する、多くの場合不十分な教育で、これを補っていると述べた。

この結果、障害児は教育へのアクセスを持たないことが多く、せいぜい隔離されて医療や社会福祉サービスのプログラムを利用する程度で、大抵の場合、自宅に取り残され、孤立してしまっている。

2012年4月28日土曜日


それはあなたが重要と挑戦でもあるイベントを扱う場合気にする完全に正常です。看護の卒業生のためにこの重要なイベントは、NCLEX PN試験です。あなたが認定看護師になると困っている人々の世話をする夢を続行する場合は、この試験に合格する必要があります。

NCLEX PN – NCSBN要件

なぜあなたの野望は、そのような崇高な職業であればテストに合格する必要がある?よく看護師が患者の世話をする必要がありますし、時には彼らはひどく事故や末期症状で負傷することができます。あなたの方法をがどのような状況を処理するために必要な知識とスキルを持っていることを確認するには、NCSBNはこの試験を設定する。あなたが想像できるようにそのため、この試験は厳しいですし、本当に看護師になるために専用されている者だけが通過します。

お悩みや不安を追い出す

2012年4月26日木曜日


一般論として或る投資対象に関して大衆がとても詳しくなり始めたら、それは危険な兆候です。

例えばドットコム・バブルの時は誰もがADSLやMEMSなどのアクロニムにとても詳しくなりました。

皆が専門用語を振り回し始めるということは、すでにそこには発見が無くなっていることを意味するわけで、それは「フロンティアの喪失」に他なりません。


クリスマスツリーの匂いを取得する方法

フロンティアの喪失は普通、投資収益率の低下というカタチでヒタヒタと投資家の足元に迫ってきます。

「なんとなく、昔のようには儲からなくなったね」

そういう実感を投資家が持った時はフロンティアの喪失が起き始めているときだと思います。

その場合、投資家はおおまかに言って2つのアプローチで投資リターンを確保します。

2012年4月25日水曜日


一般的に面接時には転職理由を質問されますが、なぜ面接時の転職理由が重要なのかを考えたことはありますか? 面接担当者は転職希望者の人物像や業務経験、スキルなどを確認するとともに、退職のリスクがないかを気にかけています。入社後すぐに辞められてしまっては、採用する意味がありません。転職希望者には転職する理由があり、その理由の基となる原因があります。それと同様のことが、次の会社でも起こりえないかを面接担当者は見ているのです。

2012年4月24日火曜日


僕はいま高校の最終学年で、次の6月に卒業する予定です。高校の成績は、いままでずっとAを取りつづけていましたが、去年始めてBをとってしまいました。もしそのBがなければ、卒業生総代に選ばれていたでしょう。

総代にふさわしいのは自分だ、つまりクラスで本当に一番頭がいいのは自分だと思いたいです。でもこの一年で、僕にそれほどの知性はないし、僕より頭のいい人はたくさんいるんだということを思い知らされました。

また僕は、自分の頭のよさについて、少なくとも自分自身に対して嘘をついているところがあります。成績表からAがひとつ盗まれちゃったんだということにして、自分自身を納得させようとしているんです。でも心の奥では分かっています。あのBは、僕への正当な評価だということを。あれ 以外にも、他のいくつかの科目でBをもらってしかるべきでした。どうにかそれは避けられたわけですが。

最近、SAT (大学進学適性試験)を受けたら1900台のスコアでした。ただ単に怠けていたからこの結果だけど、本気を出したらもっと全然すごいスコアがとれるはずと考えました。なので、その後もう一度受けてみました。よく出来た感触はありましたが、結果は前回よりたった約40点よかっただけでした。

昔は、自分はMITに行けるものだといつも思っていました。でも、その可能性はゼロに等しいんだという厳しい現実が明らかになってしまいました。たぶん親元を離れずに地元のつまらない大学にいくことになるんだろう、と今になって悟りました。あぁ。

あーそれに、僕の趣味といえばゲームとRedditだけなんです。クラブ活動とかも全くしてないし。車の免許さえ持ってない。終わってる。まぁ、これは僕の知性とはなんの関係もないこと ですが。。。ただの愚痴です。

どうも、遅れてすいません。新年を祝うのに忙しくて(笑)。君がまだこのスレをみているとよいのですが。

さて。私はちょっとユニークな視点を持っていると思います。私は、MITの入学試験をいままで様々な視点で見てきました。受験生として、学生として、教師として、そして今は有望な学生を面接する卒業生として。君がMITに触れているのをみて私は、ちょっと時間をかけていい返信をすべきだなと思いました。

2012年4月22日日曜日


2012年4月21日土曜日


ベッツィ・サンダース著 田辺 希久子訳
価格(税込):¥ 1,890
発行年月: 2002年3月
判型/造本:46上製
頁数:224
ISBN:978-4-478-36051-4

2012年4月19日木曜日


2章.日本における臨床心理学(心理臨床)の性質と現状

2章 日本における臨床心理学(心理臨床)の性質と現状

参考・引用文献
下山晴彦 丹野義彦―編
「講座臨床心理学1.臨床心理学とは何か」東京大学出版会
下山晴彦
1部.臨床心理学の専門性
4章.臨床心理学の専門性と教育
2節.臨床心理学の専門性と社会

をまとめてみました。

1節.臨床心理士とは何か

 1章では、臨床心理学というものが実践活動・研究活動・専門活動により成り立っている学問であり、心理臨床とは、広くこの専門領域と心理援助を行う実践業務を包括するものであるということがお解りいただけたのではないのかと思う。次に、臨床心理士とはどのような存在なのか、ということに触れたい。

2012年4月18日水曜日



 5つの数字から1つ選んでみましょう。
 選んだ番号の天使が、あなたの人生にきっかけを与える一言メッセージを伝えてくれます。

 1 2 3 4 5 

 さあ、選びましたか?

スクロールしてメッセージを体験してみて下さい。

もしも今日の番号ではないと感じたら、その直感を信じ、バックナンバーの好きなところから呼ばれるままに数字を選んでもかまいません。

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1の天使はあなたにこう言っています↓

2012年4月16日月曜日


佐久間:
そうですね、即決ですね。

で、引越しするにも、家の家族は、はっきり言って、テレビでは安全だと言っていたので、大丈夫でしょ、という感じだったんです。
でも、俺は爆発した当初から避難したかったんですよ。
絶対、これはヤバイぞ、という意識でいたんで。

で、結局、夜逃げしたようなもんですよね、ここから。

うちの親父にも知らせず、母親にも知らせず、朝起きたらいなかった、見たいな感じですよね。

そうでもしないと逃げられないと思ったんで。

島(八丈島)に引越しするっていうので、引越し業者にいろいろ聞いたんですけど、どこも、やっばり島まで運ぶ手立てがないっていう話になって…。
でも、ゆうパックとヤマト運輸があったんで、とりあえずヤマト運輸で段ボールを買ってきて、15、6箱に詰めて、それで宅配便で送ってですね。

だから何も持っていかなかったです、大きい荷物は。
で、避難で八丈島に行って、島の社協とか、地域の人たちに、いろいろ要らないものをもらったりなんだりして。

で、たまたま、うちは半壊だったので、罹災証明書が出ていたので、それを八丈島の役場にFAXして、それで家電の6点セット(罹災証明書があると、洗濯機、冷蔵庫、電気炊飯器、液晶テレビ、電子レンジ、電気ポットの家電6点セットが無償で提供される)を送ってもらうような形をとって…。

その家電6点セットをもらうにも、7月に(申請書を)出して、もらったのが10月だから、4ヶ月間はこう…。
八丈島の役場の人も、やったことがなくて、福島県に申し入れをして、そんで福島県から了承をもらってから日赤に行くみたいなんですよね。

直接ではないみたいなんですよ。
だから、そこいらへんで、かなり手間取って。

いや、でも行ったところが暖かいところなんで。
気温だって20度くらいあるっていうんですから。

こっちなんか、最近まで雪が降っていたりしていたんですから。

佐久間氏:
八丈島では、高校生の子供の入学手続きなんかも。
手続きは、担任の先生が理解のある人だったので、大変ではなかったです。

「俺たちも避難したいくらいだ」と言っているような先生でしたから、すんなりいって良かったです。
島には高校もちゃんとありますし、なんとかすんなりいきまたから。

越智氏:
向こうでは住んでるところは、アパートかなんかですか?

佐久間氏:
うーんとですね。
八丈島に行ってすぐに一軒屋を借りて10月までいたんですが、最近は、八丈島で、ちゃんと被災者支援で、国の測候所で使っていた団地みたいのがあるんですよ。そこを島の役場が借り上げしてくれて、そこを貸してくれてたので、そっちに移ったんですけれど。

だから何て言うんでしょう、コンクリートの団地ですから、台風が来ても全然、問題がない。

ここでも避難させない!?
不可解なことに八丈島避難に福島県も各自治体も協力しない

越智氏:
他に避難されている方はいらっしゃるんですか?

佐久間氏:
いますよ、いますよ、川俣から行っていますし、いわき市から行っている人いますし、福島から行っている人もいますし。
結構、八丈島のNPOと役場が一体となってやってるんで、何回も福島と郡山で説明会をやっているんですれど、これが人が集らないんですよ、なかなか。

八丈町 「島で暮らしませんか?」福島で説明会

避難したい人はいっぱいいるんでしょうけれど。

でも、県に言っても、市に言っても、町に言っても、協力してくれないから、なかなか人が集らないですよね。
ネットで見たとか、あとは毎週・木曜日に入る新聞のフリーペーパーみたいなのがあるんですけど、そこにちょっと載せてもらっている情報しかないから、見る人が実際はいなくて、集客はできていないですね。

(管理人:
八丈島の役場の人たちが福島原発の被災者を受け入れようとして、福島県で説明会をやっても、県庁はもとより、市町村が住民の告知しないようです。
にも関わらず、福島の行政は住民に何もしないのです。福島の自治体は、すでに機能していないようです。まったく)


でも、17、8世帯は八丈島に行ってるんで。

八丈島には、東京から飛行機で行くか、あとは船で行くかですね。
船は一晩かかるから嫌だと、僕は飛行機で行きますけれど。

飛行機なら実質、30分から40分くらいですかね。

越智氏:
今は、毎月、ご家族に会いに行くとかですか。

佐久間氏:
いやいや、二ヶ月に一回とか、三ヶ月に一回とかっていうぐらいですね。
ちょこちょこは行けないですよ、こっちでも仕事やってますし。

やっぱり借金があるんで、どうしようもないですよね。
がんじがらめですよね。

借金はバイクショップを作ったときのものですね。
去年(2010年)の10月にできたばっかりなんですよ。やっと1年過ぎたくらいなんです。

仕事の受注は、ほとんどないですよ。バイク、売れないですものね。

だって、通常考えて、空間線量で1マイクロシーベルトあれば、誰だって外に出るのを控えるんですよ。
そんなところバイクは乗らないですから。

仕事で使う人たちが、カブだなんだと仕事がちょくちょくあるぐらいで。個人のバイク、けっこう入っていますけれど、6、7台入ってますけれど、ここにある250ccなんか震災のときから、ずっとありますから。

こっちの赤いやつは、これからオーバーホールするんですけれど。

越智氏:
そういう修理の仕事があるくらい、ということなんですか。

佐久間氏:
そうですね。
というか、福島の二輪の業者はみんな厳しいですよ、四輪と違って。

国の連中は、そこまで知らないから、どうしようもないですよね。
みんな、ひぃひぃ言ってますよ。

越智氏:
この間、twitterでつぶやいていたメーカーさんとの取引ですか。あれも、取りやめ…。

佐久間氏:
○○ハは、たぶんそうなりますね、この状態だと。
それが、いちばん恐いですよね。

恐いってなんで、ってなると今後、一切、取引ができなくなるわけですから。

越智氏:
ああいう取引っていうのは、年間でそれなりの売り上げがないとダメってことなんですか。

佐久間氏:
いや、年間販売台数があるんですよ、一応は。それをクリアしないとダメなんで。
昔は、お情けがいろいろありましたけれど、最近は、メーカーはそんなことなど全然考えてくれないですから。

こんな状況であっても、「だから、どうしたの」っていう感じですよ。ヒドイですよ、ホントに。
「だから?」みたいな感じですから。

せめて1年ぐらいの猶予をくれればいいなと思いますけれどね。
まして、うちの町なんか、山木屋地区は避難区域になって、川俣は普通にいるわけでしょ。

でも、世間一般の目では、川俣町といえば、「ああっ、あそこは避難区域だよね」の話ですよね。

○○ハなんて、はじめ、8月くらいまで、部品来るまで、発注かけてから2日後くらいですから。
普段だったら、だいたい翌日には来ているんですけれど、今は全然、来ないですからね。

ホンダは来てますけれどね。

目先の問題からいうと、○○ハがやばくなってきているんですよ。
○○ハって、1月から12月なんですよね。ホンダは4月から3月。
○○ハが終って、今度3月になったら、今度はホンダが、足りないっていう話になって、どうすんだ、という話になってきますけど。

だいだい12月にバイク売れるかって言ったら、もともとこちらのほうでは売れないですからね。
それで、どうすればいいのって話ですよ。

まして、自主避難でけっこう金使っているし、稼ぎ時の3、4、5、6、7、8月なんてのは、遭難状態で仕事どころの話じゃないですしね。

冬場の貯蓄をするのに、3、4、5、6、7、8月と働くのに、それがなくなって今年は冬に来てますから。
えーっ、どうすんだろう、これから、と思いますけれどね。

東電は、10月20日の説明会でも「メルトスルーはしたけれど、格納容器の下に溜まってます」

40万円と8万円の話、決まりましたけど。

2012年4月14日土曜日


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2012年4月12日木曜日


 

Midemosite マイデモサイト

 

 

 

-もし、トラブルに巻き込まれたら、すぐに、これらをしよう。 If you get a truble, immediately let's do these.-

すぐに、警察に連絡する。 Immediately, call to a police office.

すぐに、消費者センター、労働組合に連絡してストライキをする。 Immediately, call to a consumer center and labor union and do the strike.

すぐに、スパイビデオなどで証拠を集めて裁判に送る。 Immediately, bring it in a justice gathering proves with spy video etc.

すぐに、周りの人にアピールする。 Immediately, appeal around others.

2012年4月11日水曜日


1.日時

平成21年4月3日(金曜日)16時~18時

2.場所

文部科学省3F2特別会議室

3.議題

  1. 関係者からのヒアリング(臨床研修医の立場から 1.立花蘭(札幌医科大学) 2.吉村俊太郎(順天堂大学))
  2. これまでの主な意見の整理(案)
  3. その他

4.出席者

委員

荒川委員、飯沼委員、石川委員、小川委員、北村委員、水田委員、田中委員、辻本委員、寺尾委員、平出委員、平野委員、福田委員、吉田委員、吉村委員

5.議事録

 ○荒川座長  それでは、時間でございますので、これから医学教育カリキュラム検討会第6回を開きます。

 今日は2名の臨床研修医の先生においでいただいておりますので、ヒアリングをして、そして議論を行いたいと思っております。

 最初に事務局から、今日の委員の出欠状況の報告と配付資料の確認をお願いいたします。

○樋口医学教育課長補佐  本日は、どうもありがとうございました。まず、委員の出席状況でございますけれども、出席状況につきましては、お手元にございます資料のとおりでございます。南先生がおくれて来られるか、やむを得ない場合はご欠席というようなご連絡が来てございます。

 なお、本日の配付資料につきまして確認させていただきます。お手元に、まず議事次第に続きまして、資料1といたしまして、前回の検討会の概要、それから、資料2といたしまして、医学教育カリキュラム検討会「これまでの主な意見の整理」と、さらに別冊としまして、その主な意見の詳細版、それから、参考資料としまして、吉田委員ご提出の資料がございます。

 以上でございます。何か過不足等ございましたらお申しつけください。

○荒川座長  よろしいでしょうか。それでは、きょうは、今のお話のように、きょうのお話は大きく2つございます。1つは、初期臨床研修を受けている先生方をお二人お呼びいたしました。札幌医科大学臨床研修医の立花先生と、それから、順天堂大学の臨床研修医の吉村先生のお二人でございます。お二人とも平成13年以降の新しい医学教育システムの中で卒業されまして、そして医学・医療を志すきっかけ、あるいは現在、あるいは将来の指針の中で、医学教育が与えた効果、あるいは卒業者の立場から見た医学教育の改善点、こんなことについて意見を賜りたいと思っております。その後で、この検討会におきます取りまとめにつきまして、これからの意見を整理していきたいと思っております。

 それでは、まずお二人の先生から、それぞれ10分ぐらいをめどにプレゼンテーションをお願いします。そして議論したいと思います。

 最初に立花先生、よろしくお願いします。

○立花発表者  札幌医科大学研修医の立花です。よろしくお願いいたします。

 いただいた資料で、1番から6番までテーマが振ってあったので、それに沿ってお話ししていきたいと思っております。

 まず、自身が医師を志す理由、きっかけ、時期ということなんですけれども、私は、小学校5年生のときに、野口英世の伝記を読んで感動して、それで医師を志すことにしました。その後も、人体だとか生命に非常に興味を持ち、それで医師になりたいなとずっと思って今まできました。

 次に、みずからの将来の専門、地域医療への従事が決まっている場合は、その時期やきっかけということですが、私は、将来、精神科など主に心を扱う分野に進みたいというふうに考えております。このきっかけについてなんですが、それは高校1年生のときに、みずから落ち込んだり、人生についてちょっと悩むことがありまして、それで自分と同じような立場で悩んだり、困っている方を救いたいなというふうに思ったのがきっかけです。

 また、自分の周りに性同一性障害の方や、うつの友人がいまして、ほかに自殺で亡くなった友人もおります。それで、精神科的な疾患だとか、障害を抱える方に対して非常に強い共感を持っております。それで、自分でちょっと向いているかなというふうに思っていて、それで精神科を考えております。

 次に、卒業生の立場から見た医学教育の改善点ということなんですが、特に臨床研修との比較における卒前臨床実習の改善点ということなので、それについて、まずお話ししたいと思います。

○水田委員  問題点は皆さんはご存じなんですか。

○荒川座長  資料を用意してあります? なかったですか。

○立花発表者  資料といいますと、こちらのほうではなくてですか。

○荒川座長  何か先生自身がまとめたものは。

○立花発表者  済みません。何も配付資料などは用意しておりません。

○北村委員  6つのことを書いてあるという紙すら私たちはもらってないので、何を言っているかもわからないんですが。

○立花発表者  あっ、そうなんですか。

○荒川座長  わかりました。樋口さん、何かありますか。

○樋口医学教育課長補佐  済みません。お願いするに当たりまして、ご参考として項目をお示しいたしました。大きく3つほどに項目が分かれてございまして、1つは、ご自身が医学教育に入った段階で、その志を持ったきっかけや時期についてが1つの点でございます。それからもう1つは、今、進路が決まっておられるような場合、あるいは今後の進路を考えるに当たって、それを決めた時期、あるいはそのきっかけとなるものはどうかということでございます。それから、そうしたご自身の経験というものが1つの流れとしてございまして、もう一つの流れといたしましては、今ご自身が経験された医学教育を振り返って、その教育内容についての改善点、あるいはご自身が受けた教育の中でどのような点が心に残ったか、効果的であ� �たかと、そういった点を参考として、きょうお越しいただく先生方のほうにはお示ししてございます。

○荒川座長  その点、事前に皆さんには言ってなかったので、ちょっと戸惑った。私も今初めて聞いたんですけど、じゃ、資料は用意しないということで、今の3番目の点は、先生が経験されて、今から振り返ってみて、卒前教育に対してどういう感じを持ったかということですので、じゃ、ひとつはっきりと、ゆっくりと話してください。お願いします。

○立花発表者  はい。ゆっくりとしゃべります。

○田中委員  何年に卒業されて、どこで研修したかとか、そういうこともちょっと教えていただけますか。

○立花発表者  はい。卒業は昨年の3月、私は札幌医科大学出身で、現在、札幌医科大学で研修しております。

○水田委員  20年の3月ですね。

○立花発表者  はい、そうです。

○荒川座長  じゃ、また後ほど先生に質問をさせていただきますので、今のこと、はっきりとおっしゃってください。お願いします。

○立花発表者  はい。それでは、まず臨床研修との比較における卒前臨床実習の改善点ということでお話ししたいと思います。

 まず、卒前臨床実習の問題点というのは、医師と比較して責任感を感じないということが問題点だと思っております。科にもよるんですが、もう少し学生時代にも、患者さんと責任を持ってじっくり向き合っていける形にしたほうがいいんじゃないかなと思っております。例えば教科書的な知識を詰め込むだけであれば、そういった実習ではなくて講義でもできるし、1人でも教科書を読んだりして勉強することができると思います。そのため、既に行っている科もあると思うんですが、毎日、まず患者さんと接してカルテを書かせるようにしたほうがいいと思います。また、私の大学は、学生は電子カルテに書き込むことができなくて、どうしてもモチベーションが下がるというか、実践的でないというふうに私は思っております。な ので、例えば実際に医学生も医師同様、カルテに書き込みできるようにするとか、実際の臨床に近い形で経験させたほうがいいのではないかなと思っております。

 また、例えばレポート提出の課題として臨床実習で出されることがあるんですが、ただ電子カルテを見て、それを書き写して、はい、レポートというふうに提出するだけではなくて、実際に毎日患者さんとお会いしていく中で、学生自身が考えて、それでレポートとして書けるようなものを課題として出すようにしていくべきではないかなと考えております。

 次に、いただいていた項目では、共用試験や医師国家試験が医学部の教育の中に与えている影響ということであったので、それについてもちょっとお話ししたいと思います。

 これらの試験は2段階に分けて勉強するよい機会になっているんじゃないかなと思っております。知識を身につけないまま臨床実習に出るのは、非常に患者様に対して失礼なことであると思いますし、また、ちゃんとベースとなる知識がないまま臨床実習を始めても、結局よくわからないということで終わってしまうのではないかなと思います。また、国家試験も同様で、結局自分の興味のある科だけではなくて、興味のあまりない科も、広くいろいろな科の勉強をするいい機会になっているのではないかなと思います。

 また、大きく試験が学校の教育に与えている影響といえば、試験の形式が大きいんじゃないかなと思います。以前は、私の大学では記述式の試験が多かったんですが、CBTが始まってから、大半の科でその形式に準拠したようなマルチプル・チョイスの形になっております。また、自分自身は、学生時代、試験が記述式ではなくて、マルチプル・チョイスですごく楽でよかったなというふうに思っているんですが、それだけで果たして教育としていいのかなと思う部分があります。結局、知識の詰め込みになってしまうことが多くて、自分自身、学生が考えていくというような講義が少なかったんじゃないかなと思っております。

 次に、私自身が受けた医学教育の感想だとか、あと印象深かった講義や実習ということでポイントとしていただいているので、それについてもお話ししたいんですが、私自身は、講義される先生の考え方だとか、その哲学だとかを聞くので好きだったので、そういった講義が非常に印象深く残っています。多分、試験に直結するような知識だけ、予備校的な講義をされる先生もいらっしゃるんですが、それはそれで知識になると思いますし、それがすべて悪いというわけではないんですが、ただ、試験には役立つと思うんですが、後々、印象深く残っているかと聞かれると、あんまり印象に残ってないかなというふうに思っております。

 どういうふうに変えていったらいいかというと、講義によっては、最後にその講義の感想などを書かせるような授業もありました。それは非常に、後々自分の中でも、どういったことをそのとき感じたかなというのは、やっぱり文章にして書くと残りますし、また、その知識も自分の中で定着するんじゃないかなと思います。

 また、私の大学の法医学の講義では、幾つか最後に問題を出して、それをメールで回答させるといったことがありました。それで、それに対して先生が必ずフィードバックでメールを返してくれるといった講義がありまして、そういった形で何らかの形のフィードバックがあると非常に学生もやる気も出るし、知識としても定着するし、また、課題も出ているしで、ちゃんと考えるようになるんじゃないかなと思います。だから、講義で大事だと思うことは、一方的に講義をされる先生が、ただしゃべるんじゃなくて、学生もコミュニケーションできるというか、やっぱり双方向なやりとりがあると、教育として非常に有益なんじゃないかなと思っております。臨床実習の場も一緒で、ただ臨床実習で講義をされて、時間が来たから、� ��い、おしまいというんじゃなくて、やっぱり何らかのお互いにやりとりが、その教えてくださる先生ともそうですし、患者さんともちゃんとしたやりとりがあると、学生自身、非常に勉強になるんじゃないかなと思います。

 以上で、一応用意しておいたことをしゃべりました。

○荒川座長  はい。ただいま、昨年卒業されて、1年間研修をされた中で、学生時代を思い返して卒前教育のお話がありました。手元に資料がないのであれですが、先生方お聞きになって、立花先生にいろいろなことをお聞きしてみたいと思いますが、いかがでしょうか。

 私から手始めに、先生は札幌医科大学を卒業されて、母校で研修しようと思った何かありますか。

○立花発表者  まず、私は精神科に興味を持っておりまして、それと関連して、神経内科とか、そういったこともちょっと勉強したいなと思いました。それで、大学だと内科という単位で神経内科を選択することができるので、それで大学にしました。

○荒川座長  わかりました。じゃ、北村先生、お願いします。

○北村委員  東京大学の北村と申します。よろしくお願いします。

 先生の大学は、北海道の道民の税金でできている大学です。ご存じのように多くの大学で地域枠という定員増がありました。そういうことも踏まえて、先生が受けた教育の中で、さすが道立の学校の特徴が出ている、あるいは地域医療で、地域に尽くすというような心の教育を受けたとか、そういうようなご経験はありますか。

○立花発表者  そうですね。私の大学では特に地域医療総合医学講座という講座がありまして、そちらの講座が特に熱心に地域医療について教育しております。それで、ほかの大学とあまり比較はできないので、わからないんですが、結構、地域の現状だとか、実際にそういう講義があったりとかで、おそらく地域医療を志したいという人は多いんじゃないかなと思っております。

 私自身は、あんまり学生時代は地域医療には興味はなかったんですが、ただ、昨年、私が大学で研修する中で、4か月になるんですが、その地域医療総合医学講座のほうで研修をさせていただきました。実際に大学で総合診療科としてプライマリーケアみたいなことをしているんですが、私が見ていた中で、専門家の先生というのは、やはりどうしてもご自分の科の疾患しか見ないというか、ほかの専門の先生がいるので、そちらに任せてしまうことが多いように感じていて、なかなか全人的にその患者さんを見るというか、どうしても臓器別に、そこの患者さんの疾患の部分だけ大学病院では見ている部分が多いのかなというふうな印象を抱いています。学生時代に、地域医療総合医学講座の先生がそんなお話をされていたんですね。 それを自分の昨年の研修を通して、実際に身をもって経験したなというふうに思いました。

○荒川座長  どうぞ、平出先生。

○平出委員  京都大学の平出と申します。非常にしっかりしておられるなと思って感心しました。先ほどご指摘があった、患者の方と向き合う実習、あるいは患者の方とやりとりがある実習の重要性を、2回強調されて、すばらしいことだと思います。私は、教育センターで教育のコーディネーションをしている者なんですが、現場の実習というのは、実態を知る機会はあるようでいて、なかなかないんですね。現場の先生方に、この間ワークショップで聞きましたら、大学によっては学生が電子カルテを写していて、患者さんのベッドサイドに行ってないという報告がありました。中には実習期間中一遍も行かなかった学生がいたと。それにもかかわらずプレゼンテーションをやると堂々とやるという話もあったんです。それは、先生 が1年研修してみて、やっぱりあまりよくないというふうに思いますか。

○立花発表者  研修というか、学生時代の私の経験をお話しさせていただきますと、やはりそういった科はあるんですよ。それで、出る課題の形式にもよると思うんですが、科の方針によっては、例えばレポートをまとめる上で、実際に患者様にお話を聞きたいと言うと、えっという顔をされる科もあったりするんですね。それで、別に患者様と接するというのは、必ずしも患者様に対して何か侵襲的なことをさせていただくというんじゃなくて、お話をまず伺って、実際に接してみて、それで何か共感的に感じるということでもいいと思うんですよ。ただ、学生時代に私の周りにいた人だとか、あと実際に同期の研修医などを見ていて、なるべく患者様と接したくないと言っているような人がいるのも事実なんですね。

○平出委員  問題ですね。

○立花発表者  医学部に入る時点の話をしても仕方がないのかもしれないですが、どうしても人と接するのが好きではないけれども、偏差値が高くて、それで医学部に入ろうと思う方がたくさんいると思うんですね。そういった方をどういうふうに人とうまく接していけるようにするかというのをまず持っていかなければいけないというか、人を好きになるじゃないですけれども、もしかしたらそういった教育も必要なのかなと思っております。

○平出委員  ありがとうございます。

○荒川座長  平野先生、いかがですか。

○平野委員  大阪大学の平野ですけれども、立花先生、しっかりした考え方を持っておられると思います。その中で、知識のみを与える講義は、確かに試験には役に立つけれど、結局後で心に残るのは、どう言われたかはよく覚えていませんが、要するに考えるとか、心に響くような、そういう講義がよく残っていると。私も同感だと思います。

 最近、いろいろな知識が要求されて、医学部のカリキュラムをつくるときに非常にヘビーになってきて、コア・カリキュラムがだんだん充実する。コア・カリキュラムというのは、基本的には知識を与えるようなカリキュラムですね。基本的にはやっぱり医学部の教育というのは、そういう知識の切り売りであってはいけないと思います。知識は教科書に書いてあるし、辞書に書いてある。だから、必要に応じてそれを読めばいいと思います。講義では、教科書を読んで理解できるために必要な最低限の知識を教えるだけで十分だと思います。ようするに細かいことよりも全体像が理解で来るように講義をするのが重要です。知識の切り売りよりも、重要なのは、物事をどう考えるか、そういう研究者マインドも含めて、臨床医学に対� ��ても、やはりいかに判断力、考える力を与えることが出来る教育こそが僕は大事だと思います。知識を与えるコア・カリキュラムと、考え方を教える講義というのは相反するところがありますが、両方必要な事も確かです。要はバランスが非常に大事だと思うのですが、そのあたりはどう思われますか。

 例えば極端な話、僕は教科書だけ与えておいて、あとは考える講義のみにしても大学の講義としてはいいと思います。そういう極端な考えの対局に、受験校みたいに、コア・カリキュラムのみ行うという考えもあります。今の若い人はどう思いますか。

○立花発表者  講義を聞いていた身としては、私の大学では1つの授業につき60分間の講義なんですが、ずっとそういう知識の詰め込みみたいなことをされると、どうしても退屈して集中できなくなってしまうんです、60分間ずっと。それってすごく効率が悪いことだなというふうに思っております。

 だからといって、その先生の考えることだとか、哲学をずっとお話しされて、それを聞くのは私はすごく楽しいんですけれども、それだとどうしても教育ではなくなってしまうということもあると思うので、知識として聞きたいことって教科書に載っていることだけじゃなくて、実際の臨床の場で、例えばこういったことに気をつけなくてはいけないとか、そういう例えばポイントだったりとか、できれば教科書に載ってないような、実際の臨床の場で重要なことだとかを聞けるといいのかなと思います。

 結局試験があるわけですから、教科書に載っている知識は講義で聞いたとしても、それだけで試験に対応できるわけではないので、それを考えると、その教科書に載っていることをお話しされるのもいいんですけれども、それだけじゃなくて、ほかの、教科書に載ってないようなことも、半分ぐらいとか、そんな感じでやっていくといいのかなというふうに思うんですけれども。

○田中委員  東京医科歯科大学の田中ですが、講義というのは出席をとるんですか。

○立花発表者  はい。とります。

○田中委員  みんなとるんですか。

○立花発表者  はい。全部の講義でとります。

○田中委員  ああ、そうなんですか。試験対策というのはあります? 何か試験対策委員会みたいなのが学生の中であって。

○立花発表者  あります。科目ごとに分かれていて。

○田中委員  それは、伝統みたいな感じですか。医科歯科にもありますけど。

2012年4月10日火曜日


高山博夫先生

留学施設:    University of Washington, Seattle, USA

留学期間:    2003年7月から2007年6月

留学に必要だった資格:ECFMG certification

留学中の立場:       resident

留学施設の特徴:     一般外科ではUniversity of Washington 600床, Harborview Medical Center 600床、VA病院 400床の3施設をローテーションする。心臓外科はUniversity of Washingtonで年間400-500例、VAで100例、小児病院で300-400例の症例数を有する。

留学中の経験症例数:以下は一般外科での実績
術者 1000例程度
第一助手 100例程度

体験記:
様々な米国の心臓外科を見学して回った後、留学するなら正規レジデントとして留学したいという考えを持ちました。胸部外科で正規レジデントとなるためには、2002年当時は一般外科のプログラムを修了することが必須条件となっていました。現在は、6年間の一般外科、胸部外科合併プログラムが許可され、まだ少数ですが、この制度が採用されつつあります。2002年の初夏、全米250の一般外科プログラムにレジデントとして採用してほしいとの懇願書を出したところ、シアトルからpreliminary programとしてなら採用してもよいという返事を貰いました。7年間の日本での一般外科及び胸部外科研修後、2003年6月よりpreliminary residentとして研修を開始、半年後にcategorical(正規)に格上げしてもらい、2007年に一般外科の研修を修了しました。なお、研修開始時に、2年目のレジデントが突然転職したため、日本での7年間の実績に基づき、1年目(インターン)を飛ばして、2年目から研修を開始させてもらうことができました。これには、American College of Surgeryから正式に許可を貰うことが必要でした。

以下の記事では、1.アメリカで一般外科レジデントを目指すに当たっての方法、2.胸部外科レジデンシーインタビュー体験記、3.University of Washington心臓外科、の3点に関して述べます。

なお、この体験記の内容の殆どは、僕のブログに記載されています。

 

アメリカで一般外科レジデントを目指すに当たっての方法

アメリカで臨床研修することの是非はともかく、アメリカで外科レジデントになるには2ルートあります。なお、両ルートとも、ECFMGを保有していることが前提です。

1.正規ルート:ERASを通しての申し込み。書類選考、面接選考を経て、採用される道。ほとんどのアメリカ国内医学部卒業生がこの方法を取ります。

2.裏ルート:program directorに直接直談判し、裏から入れてもらう。僕はこの方法を取りました。

公正な選考を期すため、1以外の方法は原則として違法となっています。実際、採用される正規レジデント(categorical residentと呼ばれる)のほぼ100%が1による採用です。この方式は外科だけでなく全分野にて行われています。

2で採用されるレジデントはpreliminary residentと呼ばれ、仮採用の形です。最初の2年間はcategorical residentと同等に扱われますが、3年目以降は保証されておらず、働きが悪かったり、residencyの空きがない場合は、「くび」になる危険性があります。categorical residentに持ち上げてもらえるかどうかが運命の分かれ目になります。

僕のような外国医学部卒業生にとって1による選考を勝ち抜くことはほとんど不可能であると考え、僕は2に応募、その後categorical residentとなりました。

正規レジデントは、特に大きな問題を起こさない限り、5年間の研修修了を保障されています。非正規レジデントは1または2年間の研修中は身分が保証されますが、その後は新たなスポットを探さねばなりません。整形外科、形成外科、耳鼻科など多くの外科系に採用されたレジデントは最初の数年をこの立場で研修し、もともと採用された各科にその後戻ります。また、正規レジデントのポジションを取れなかった者もこの立場で研修を開始し、研修中に希望科の正規レジデントになれるよう努力します。この後者の立場のレジデントの希望科は、一般外科は勿論、前述の各外科系科や放射線科、麻酔科など、多岐に亘ります。

僕も非正規レジデントとして研修を開始しました。この状態は、研修修了の見通しのみならず、精神的に も不安・不安定で、かなり厳しいものでした。幸いプログラム内に空きが出て、無事、正規レジデントとなることが出来ました。努力は当然、運にも大きく左右されることを実感しました。

さて、われわれ外国人医師がアメリカで外科研修する場合、昨今の激しい競争下では、良いプログラムで正規レジデントになることはかなり困難で、非正規から始めざるを得ないことが多いと思われます。この場合、最も気になるのは、1から2年後の非正規研修終了後、どの程度の割合で、正規レジデントの立場を確保できるのか、ということだと思います。僕の所属したUniversity of Washingtonでのここ数年の実績は下記の通りです。

2004年 非正規レジデント 4名
外科正規レジデントになったもの 2名(共にUW)
麻酔科 1名
研究へ 1名
2005年 非正規レジデント 6名
外科正規レジデントになったもの 4名(U of Wisconsin, Mayo Clinic, West Virginia U, unknown)
麻酔科 1名
不明 1名
2006年 非正規レジデント 5名
外科正規レジデントになったもの 5名(UW 3, U of Nebraska, Albany 1)
2004年 非正規レジデント 6名
外科正規レジデントになったもの 3名(UW 2, Albany 1)
麻酔科 2名
未定 1名

67%が外科正規レジデントのポジションを確保、その内半分は所属プログラムに採用されているという状況です。この数字をどう見るかは主観的な問題となりますが、実際に体験することのストレスは言葉では言い表せぬものがあります。どうしても一般外科を修了する必要がある場合を除き、気軽にお勧めできるコースではありません。

 

2.胸部外科レジデンシーインタビュー体験記

胸部外科レジデンシーの選考過程は、以下のような長丁場です。

1月 書類(1)提出
2-5月 書類選考(2)の上、interview召集(3)
更なる選考(4)
6月15日 結果発表(5)

(1)用意する書類は、以下の通り。

医学部時代の成績表
医学部長からの評価の手紙(dean's letter)
USMLE(米国医師国家試験)の点数
推薦状4通
ABSITE score(一般外科研修中の年1回の筆記試験点数)
自己紹介文
履歴書。


</head><body bgcolor="#ccffcc" id="readabilityBody" > <p><b><span>『ニューヨークからの手紙 2008』</span></b></p><p>【はじめに】<br/>皆さん、本当にご無沙汰しております。</p><p>暫く前に、管理人の二井矢さんから『進めJPO』の続編を書いてほしいというご依頼があり、JPO/AE後の経緯についてこのような形でまとめさせていただくことになりました。</p><p>僕がUNESCOのアソシエート・エキスパートとしてナミビアに赴任したのが1998年の9月なので、あれからもう10年近く経ったことになります。タイトルが示す通り、僕は今、ニューヨークでこの文章を認めています。</p>

2012年4月8日日曜日


セミナーカリキュラム

1.コミュニケーションの本質

1)人によって「態度」を変える人がいる、それはなぜか?
2)部下もお客様も、相手との信頼関係がなければ何もはじまらない
3)なぜコミュニケーションは「言葉」を使うのか?
4)「言葉」を使うことでトラブルが発生する
5)「言葉」の作用を分析する「省略・歪曲・一般化」
6)なぜ脳は否定語を認識することができないのか?

2.信頼関係の構築法1

1)覚えておくべき3つのコーチング技術
2)ペーシング/ラポール/リーディング
3)ペーシングの極意は安心/安全
4)これだけで簡単に「傾聴」ができるチューニング技術

3.信頼関係の構築法2

1)「人間性」を理解させるコミュニケーション
2)人間を動かすのは「理論」ではなく「感情」
3)ニューロロジカルレベル
4)承認するのは「上位概念」
5)まずは「自分の情報」を知ってもらう
6)わかっているだろう、は幻想 ・・・ジョハリの窓

4.「説得」の基本

1)説得の基本は「量」
2)「ヘルマン・エビングハウスの忘却曲線」と説得
3)記憶力と説得との関係
4)どういうタイミングで言いたいことを言うべきか

5.「でしゃばり」を治療する!

2012年4月7日土曜日


社会人になった時点で、ある程度の敬語やら丁寧語やらの講習・勉強は済ましているのがほとんどだと思いますが、「話し方」「伝え方」まではあまり意識して使えていない方が多いように感じます。(過去の自分も含めて)
なので今回はWebディレクターという職域を任された場合に発生する口頭でのコミュニケーションにおいて、何をどうすると内容が人に伝わりやすいのか?をまとめてみました。

どういった時に口頭でのコミュニケーションが必要になるのか

Webディレクターとして仕事をする上で、「口で言って物事を伝える」という場は実はそんなに多くはありません。が、その少ない機会というのがすごく重要な場合ばかりなので、どんな場所で必要になるのか?をまずは書いておきます。

代表的なパターン(対外部)
・クライアントに対し提案、交渉を行う時
・要望やクレームに対する回答を返す場合
・成果など、何かを報告する時

代表的なパターン(対内部)
・社内的な提案を上層に提案する時
・デザイナー、プログラマーに仕様や要望を伝える時

2012年4月5日木曜日


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2012年4月4日水曜日


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ABO式血液型心理学とは

Q

ABO式血液型(以下、血液型と略する)心理学とはどのようなものでしょうか?

A

人の血液型が心理に与える影響を研究します。心理は性格形成とつながるので、結果として血液型が性格に与える影響の研究につながります。ただしノンフィクション作家の能見正比古さんが提唱した血液型人間学とは全く別な考え方で、新たな発想のもとで、ゼロから血液型と心理および性格との関係を明らかにしようというものです。

Q

能見さんの著書なら読んだことがあります。確か「新・血液型人間学」でした。A型は神経質、B型はわがまま勝手でマイペース、といった説明が印象に残っています。

A

能見さんご自身は「決めつけているわけではない」と著書の中で釈明されていますが、1970年代当時は、能見さんが放送作家としてラジオやテレビと深いつながりがあったため、番組のネタとして面白おかしく取り上げられ、本もベストセラーとなって、ちょっとしたブームとなりました。1981年に能見さんが亡くなられたあとも、類書が書店の一角で一定のスペースを占め、ひところではないにしても一定の人気が続いています。

血液型性格分類への批判

Q

能見さんの著作を含めて、血液型性格分類疑似科学だという批判があるようですが。

A

疑似科学というのは、一見科学のような体裁を装いながら、十分な検証がなされていない論説を指します。能見さんの著作が豊富な調査資料に裏付けされているところは認められるものの、単に調査結果の解説に過ぎないと見ることもできます。調査のために用いられたアンケートなどのデータがどれだけ膨大なものであっても、それを集計した印象を列挙するだけでは、科学的な研究とは言えないのです。

Q

能見さんの研究には、どういうところが欠けているのでしょうか?

A

つまるところ「科学とは何か?」という問題になりますが、普通には再現性あるいは可逆性の保証と言えます。例えばノーベル賞並みの研究は世界中に広く紹介され、多くの研究者が同じ手順で再現できることを確認しているのです。ただし科学には「現実に存在する事象は否定しない」という大原則もあり、未解明な事象については、観察・観測を十分重ねた上で、得られた結果について、しかるべき仮説を立て、収集したどのデータに対しても、その仮説が適用できることを証明する手続きがとられます。しかし能見さんの研究にはその仮説に相当するものが見当たらず、誰もが参加できる公平な検証への妨げとなっています。強いて言えばA型がO型をおもりし、O型がB型をおもりするという「おもり関係」説がありますが、調査データ全体を説明できる内容ではありません。

Q

仮説と、その検証についてもう少し説明してください。

2012年4月2日月曜日


講義後,受講生のみなさんからいただいた感想,質問,および担当者からの回答です。

Sさんより

「研究計画の設計と方法」に関する講義を聞く前から研究計画書やレポート等を書く時に先生の理論に断片的ながらも従おうとしてきました。今回,「論文は自分のためでなく,人のために書くもの」だという言葉の意味について考えさせられました。研究者はどうしても研究を進めていく過程では自分の世界を持つようになり,いくら立派な研究成果でもそれが他人に伝わっていなければ,一般化されていなければ生きていく資格がないですね。人文科学のものは特にそれが重要だと思われる。

以上のことは決して万人受けを狙うと言う意味ではなく,自分の考えをまとめる段階の後,必ず自分の考えを広める段階が来るという意味です。そのために能力も度胸も問われることになります。それを身に付けないかぎり単に"勉強ができるけど…"というレッテルを貼られてしまい,勉強の成果が日の目をみることさえないかもしれません。

次に,先生が提示する論文の執筆技術と整合性及び一貫性を有する流れに従えば,大袈裟ですが,最近巷でよく聞く「政治マニフェスト」でも書けるというユニバーサルな理論だなと思いました。

その他に,「肉体が精神に裏切られるまで」研究を続けなさいという言葉が印象に残りました。現在,私自身は長いスパンで見ることが出来ませんが,止まってはいけない,止まったら必ず逆戻りしてしまい,元の場所に戻るために数倍の努力(心身とも)が必要になると思っています。だから,常にアンテナを張っており,自分の意見や考えを臆することなく人にぶつけて,そのインターアクションの中で成長していこうと思っています。

  1. 人のために書く
  2. 一貫性を忘れない
  3. 継続は力なり

以上のポイントを今後の活動の要にしたいです。

細川より
論文は人のために書く,と言った覚えはありません。論文は他者に提示するものではありますが,あくまでも自分のために書くものでしょう。自分の考えていることを明確に他者に示すことができるということが,書くという行為であると私は考えています。

Lさんより

研究計画の方法論は,前から大まかに知っていますが,実際にしてみると,一つ一つの手順をきちんと踏んでいくことはかなり難しいと思います。

今回の授業で,初めの設計のための2つの視点の,「テーマを他者に提示する」ということは,私にとって新しい発見でした。やはり最初テーマを決めるときは,全部一人だけで決めつけてしまうことがほとんどです。

今まで,「他者に提示する」というと,先生に見せるくらいしかしないので,最初の段階から他人とインターアクションを行うことは新たな刺激になると思います。授業中,どのような他者に自分の研究を見せたらいいかという質問も出ました。それも私が聞きたかった質問です。同じ専門の人なら専門的なアドバイスが出るかもしれないし,全然専門が違う人でも面白いコメントをしてくれる可能性もある,ということは考えられます。しかし,私の考えでは,研究などを見せるとしたら,建設的な意見をもらうために,同じ専門の人に見せるしかないと思いました。そうすると,インターアクションをする他者が限られてしまう心配もあります。

結局,相手(他者)が自分と同じ専門にしても,そうじゃないにしても,大事なのは相手が自分の研究に関心を持っていることだと分かりました。自分の研究に関心を持ってくれれば,行われたインターアクションはきっと役に立つだろうと思うようになりました。

ただ一つ気になることは,自分が他人の意見や反論を処理することができるかどうかという問題です。他人とのインターアクションを活用すれば,自分の研究の基盤を堅く築いていくかもしれませんが,自分は他人の意見や反論に振舞わされる心配があります。簡単に他人に影響されないようにするとしたら,テーマの問題関心を意識化するという手順を繰り返すしかないだろうと思います。

一こまの授業で研究計画の方法論を紹介していただきまして,大変役に立ちましたが,実行する際に,手順通りにやっていけるかどうかまだ不安です。

でも一通りのモデルを提示してくださいましたので,非常に参考になりました。

また,授業中,たくさんの方々からの質問を聞くことによって,今後自分も同じような問題に遭遇するかもしれませんので,大変勉強になりました。

そこで,このような授業の開設は大学院生にとっては不可欠であろうと思います。

Rさんより

授業の後,自分自身の問題を反省しました。主に二つの問題があります。

  1. 問題に対して敏感ではありません。本を読む時,関心する問題があっても,深く考えなく,捉えないままで終わります。これから,関心する問題があれば,問題関心を意識化することが分かりました。
  2. 資料,データの収集,運用方法はよく分かりません。「循環スパイラル」を聞くと,ショックしました。これはずっと捜しているものです。めちゃくちゃの頭ははっきりになりなります。良くない比喩ですが,前の私はネックレスを作りたいですが,どこから始めるかよく分かりません。今はよく分かるようになりました。まず,玉を集まり,自分好きなものを選びます。次に,適当の線で玉を刺し通します。少しずつ玉を集め,線で閉じると,素敵なネックレスができる。先生,知識より方法を教えていただき,どうも,ありがとうございます。

留学生で,自分の感想をよく伝えられなく,すみません。いい勉強になりました。どうも,ありがとうがざいます。また,余計な話ですが,私,ピンク色のプリントがとても好きです。暖かく感じていた。どうも,ありがとう。

Cさんより

この授業はとても勉強になると思っています。

私の大学には卒業論文がないので,私は一回も書いたことがないのです。ですから,修論をどう書けばいいかと非常に悩んでいます。

この授業で研究計画の書き方などを分かりやすく説明してくださって,本当に助かりました。

ころからもよろしくお願いいたします。

Mさんより

本日の講義では,研究計画の設計と方法ということで,研究とはどのような過程を踏んで進めていくのか,ということを初めて聴いた。具体的な説明を聞いていて,シンプルな作業を丹念に繰り返すことがいかに大切なのか,ということがよくわかった。しかし,同時にその「シンプルな作業」がなかなか「シンプル」にまとまらないところに,研究者の力量の差が顕れ,難しさがあるのだということを実感した。